創薬の効率を高めて、開発時間の短縮や精度を向上させるHTS(特に仮想)の役割は一層その重要さを増していると感じております。
単にスクリーニングの速度や処理スループットの向上のみならず、HTSの適用分野も広がり、更にはHTSで使われる化合物自体も大きく変化しております。コロナが注目された初期には、既存の医薬品のコロナ治療薬への適用可能性を探るべく実施されたHTSは「ドラグリポジショニング」の典型的な適用事例となります。
HTSは大量のスクリーニングデータを扱うことから、強力なデータサイエンス手法の適用や、場合によっては人工知能(AI)の適用が求められます。当初はデータサイエンスや人工知能の単なる適用、即ち従来手法の置き換えレベルにて実施されますが、より高度なレベルの要求に耐えるHTSの実現が求められるようになります。
データサイエンスや人工知能の展開は急速ですが、これら技術の適用目的の先に見える最終形は、様々な判断や決断を伴い、これらを適切に解決しながら実施されるHTSとなります。このような形式は「オートノマス(自律型)」と称され、データサイエンスや人工知能の展開における最終形態となります。この「オートノマス(自律型)HTS」となれば、創薬の他の手法との組み合わせ等を行うことが可能となり、極めて高度で確度の高い創薬が実施可能となります。
本ブログでは、この次世代型のHTS、すなわち「オートノマス(自律型)HTS」を目指した討論を実施してまいりたいと考えます。よろしくご支援お願いいたします。