2025/04/05

「AI創薬・メゾスコピック化学討論」研究会がCBI学会に設立されました。

  2024年度のノーベル物理学賞と化学賞はともにAI(人工知能)に関する研究が選択されました。特に化学賞は、タンパクの三次元構造創出ソフトが選択されたことで、私のようにソフト関連で仕事や研究している者にとっては大きな励みとなりました。もともとソフトは研究支援が中心で、ノーベル賞にはなじまないと考えていましたので、この点でもビックリしました。さらに、受賞したアルファフォールドの基本アルゴリズムにAI が採用されており、この事実が蛋白研究と結びつき、結果として類いまれな高度な機能を生み出したという点です。

 物理学賞のAIはAIの基本そのものに対する研究ですが、化学賞はAIとは縁遠い分野であるタンパク解析にAIの最新技術が適用されたという点で、大きなインパクトを与えました。即ち、AIは他人事ではなく、縁遠いと考えられてきた分野にもAIの導入が可能で、その結果とんでもない成果を実現することが証明されたわけです。アルファフォールドは複数の研究分野の技術が融合された典型的な異分野同士の融合研究です。これにより、AI技術は様々な研究分野において適用可能であることが証明されました。

 現在我々が展開している創薬は、コンピュータ(IT)技術を適用したコンピュータ創薬ですが、今後は更にAI 技術を適用した創薬が急速に展開されることが予想されます。ここで展開されるAI創薬は典型的な融合研究となるので、様々な分野の研究者が集まり、総合的に協調しつつ研究を展開することが必要となります。

 今回発足致しました「AI創薬・メゾスコピック化学討論」研究会はAI創薬の実現を目指し、様々な研究分野の研究者による討論を起こし、AI創薬を推進することを目指します。現在は、一つの研究分野の知識だけでは高度且つ複雑な内容を有する新たな研究ターゲットを実現することは困難な時代となっております。

 現在から今後の新たな研究を解決する異分野研究者のグループの総合力を結成し、現在から今後の新たな研究テーマに挑戦する。これが「AI創薬・メゾスコピック化学討論」研究会の設立意義となります。多くの研究者の方々のご支援をお願いいたします。

「AI創薬・メゾスコピック化学討論」研究会のホームページです。

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