2014/02/25

CBI学会にて、「計算毒性学(Computational Toxicology)」研究会の立ち上げ提案を行ないました。

 2月24日(月)のCBI研究会におきまして、時間をいただき「計算毒性学(Computational Toxicology)」研究会の立ち上げに関するアナウンスをさせていただきました。

 
  昨今、化合物毒性に関する関心が急速に高まり、様々な理由からWETの実験だけで済んでいた昔と異なり、インシリコ(計算機)によるDRY実験に基づいた化合物毒性評価の重要性が増大しております。
  医/農薬における副作用や毒性の無い薬物開発、一般生活環境中で使われる様々な機能性化合物の安全性や化合物規制の強化、環境毒性に関する化合物規制の強化、さらには動物愛護に基づいた化粧品関連開発での実験動物使用の禁止等により、インシリコ(コンピュータ)による毒性評価の重要性が高まってきています。 また、化合物規制当局の指針書にもインシリコ(コンピュータ)による毒性予測の取り込み等が推奨されるようになり、徐々に実験データ中心から、ドライ実験データも盛り込む等の流れが出てきています。

 上記変化から今後重要になると思われる、インシリコ(コンピュータ)による化合物毒性評価での基本技術が「計算毒性学(Computational Toxicology)」です。

  残念ながら、日本においては「計算毒性学(Computational Toxicology)」を学ぶ、あるいは活動する場が殆どありません。 
  一方で、化合物の安全性(毒性)が関与する分野は急速に広がり、またその重要性も急激に増大しております。 このように化合物毒性に関する社会的な要求が拡大しているなかで、現在の日本における「計算毒性学(Computational Toxicology)」に関する現状では、日本は世界の動きに取り残され、研究基盤も人材も育たない状況になるかと思います。

 「計算機性学(Computational Toxicology)」を実施するには、安全性(毒性)関連研究者とコンピュータ関連研究者の連携が必要です。 また、安全性(毒性)という観点より、研究者のみならず生産の現場や販売関連の方々も一緒に集い、情報交換できることが重要となります。

 今回の提案は、CBI学会の研究会の一つとして「計算毒性学(Computational Toxicology)」を立ち上げ、この研究会を足場に研究分野や仕事の内容の異なる方々が集い、「計算毒性学(Computational Toxicology)」を学び、関連研究分野との連携や展開を議論できる場にしたいと考えます。

  以下に、「計算毒性学(Computational Toxicology)」設立趣意書をアップさせていただきます。本件に関しましてご興味のある方は、趣意書内のメールアドレスにメールいただければ、本「計算毒性学(Computational Toxicology)」研究会の設立にご賛同いただいたものとして、登録させていただきます。

 「計算毒性学(Computational Toxicology)」設立趣意書




2014.2.25
文責:湯田 浩太郎