2025/04/05

「AI創薬・メゾスコピック化学討論」研究会がCBI学会に設立されました。

  2024年度のノーベル物理学賞と化学賞はともにAI(人工知能)に関する研究が選択されました。特に化学賞は、タンパクの三次元構造創出ソフトが選択されたことで、私のようにソフト関連で仕事や研究している者にとっては大きな励みとなりました。もともとソフトは研究支援が中心で、ノーベル賞にはなじまないと考えていましたので、この点でもビックリしました。さらに、受賞したアルファフォールドの基本アルゴリズムにAI が採用されており、この事実が蛋白研究と結びつき、結果として類いまれな高度な機能を生み出したという点です。

 物理学賞のAIはAIの基本そのものに対する研究ですが、化学賞はAIとは縁遠い分野であるタンパク解析にAIの最新技術が適用されたという点で、大きなインパクトを与えました。即ち、AIは他人事ではなく、縁遠いと考えられてきた分野にもAIの導入が可能で、その結果とんでもない成果を実現することが証明されたわけです。アルファフォールドは複数の研究分野の技術が融合された典型的な異分野同士の融合研究です。これにより、AI技術は様々な研究分野において適用可能であることが証明されました。

 現在我々が展開している創薬は、コンピュータ(IT)技術を適用したコンピュータ創薬ですが、今後は更にAI 技術を適用した創薬が急速に展開されることが予想されます。ここで展開されるAI創薬は典型的な融合研究となるので、様々な分野の研究者が集まり、総合的に協調しつつ研究を展開することが必要となります。

 今回発足致しました「AI創薬・メゾスコピック化学討論」研究会はAI創薬の実現を目指し、様々な研究分野の研究者による討論を起こし、AI創薬を推進することを目指します。現在は、一つの研究分野の知識だけでは高度且つ複雑な内容を有する新たな研究ターゲットを実現することは困難な時代となっております。

 現在から今後の新たな研究を解決する異分野研究者のグループの総合力を結成し、現在から今後の新たな研究テーマに挑戦する。これが「AI創薬・メゾスコピック化学討論」研究会の設立意義となります。多くの研究者の方々のご支援をお願いいたします。

「AI創薬・メゾスコピック化学討論」研究会のホームページです。

・CBI 学会の研究会リスト

AI創薬・メゾスコピック化学討論研究会



2024/07/13

PHARMSTAGEの原稿完了しました。今回の目次です。

  先にPHARMSTAGE 8月号の特集で、以下のタイトルで投稿いたしました。

 「大規模生成AI時代のADME・毒性データベースの構築と近未来のAI創薬」


 以下に、本稿の目次を掲載いたします。

1.はじめに

2.ADMET関連データベースの一般的な構築手順

 2.1 データベース構築における全体的な流れ

 2.2 第1~第4ステージにおける作業実施内容

 (1)データベース構築目的の決定(第1ステージ)

 (2)データ内容の決定(第2ステージ)

 (3)データベース支援システムの決定(第3ステージ)

 (4)運用関連(第4ステージ)

3.データベース事例(遺伝毒性Ames Testデータを例として)

 3.1 データベース構築の流れに沿ったAmes Test関連データベースに関する考察

 (1)データベース構築目的の決定(第1ステージ)

 (2)データ内容(コンテンツ)の決定(第2ステージ

 (3)データベース支援システムの決定(第3ステージ)

 (4)データベースの運用関連項目(第4ステージ)

3.データベース構築における全体的留意点

  (最先端技術か、安定して成熟した技術かの問題)

4.ADMETデータベースにおける化合物の扱いについて

 4.1 化合物に関するアナログ情報のコンピュータリーダブルなデジタルデータへの

    相互変換

 4.2 化合物構造式のデジタル化(表記法)に関する様々な手法

   (線形表記とモルファイル)

  (1)線形表記

  (2)マトリクス表記(モルファイル)

 4.3 化合物構造式の取り扱いに関するその他の様々な留意事項

  (1)表記の形式や互変異性体による構造式の変化性

  (2)その他の要因による構造式の様々な多様性

  (3)個々のデータベースによる制限事項に関して(化合物クレンジング)

5.情報時代のADMETデータベースに関する考察

 5.1 来るべき「情報時代」とは

 5.2 「自動型」研究から「自律(オートノマス)型」研究へ

 5.3 「情報時代」の「自律(オートノマス)型」ADMETデータベース

 5.4 大規模生成AI時代のADMETデータベース

  (実行したいことをプロトコルで指示するだけで結果が出る)

 5.5 大規模生成AI時代の創薬について

6.まとめ




2024/06/15

月刊誌のPHARMSTAGEへの執筆依頼がありました:
ADME及び毒性データベースの構築関連執筆

 依頼があったのは、月刊「PHARMSTAGE(ファームステージ)」2024年8月号の特集で、 「医薬品研究開発におけるデータ収集・蓄積とDB構築:ADME・毒性データベースの構築とAI創薬への活用」 (仮題)の中の一つとしての執筆依頼です。他の著者への依頼内容を見まして、今回の私への依頼内容であれば特に問題は無いので引き受けさせてもらいました。

 現在、先のブログにて報告させていただきましたが、MEDCHEM NEWS, SEMINAR, Vol.34, AUGUST, No.3 ,2024.において、表題として「コンピュータ時代の自動型創薬から情報時代の自律型創薬へ:大規模生成AI が支える、近未来における創薬研究の形」で執必しており、この出版が同じ8月ですので、丁度良いタイミングでもあります。  インシリコデータとの総合連携ブログ ---情報時代の自律(オートノマス)型研究---: MEDCHEM NEWS, SEMINAR, Vol.34, AUGUST, No.3 ,2024. 著書の目次です。 (insilicodata.blogspot.com)

最終的にPHARMSTAGEには執必タイトルを以下のようにさせていただきました。

 「大規模生成AI時代のADME・毒性データベースの構築と近未来のAI創薬」

 現在のDB構築と近未来の大規模生成AI時代におけるDB構築の展開についてまとめたいと考えております。





2024/06/09

データサイエンスや人工知能によるインシリコ創薬関連著書 : 目次です。

 先のブログで公表した著作に関する報告は、表題のみであった。これだけでは、著書の詳細な内容が不明で、どのような内容が書かれているか不明であるので、以下に本著(分著)の目次を掲載します。是非、参考にしてください。

書籍表題:『デジタルトランスフォーメーション 事例100選』

  分著:湯田 浩太郎

    第9章医療、第8節

「化学データサイエンスおよび人工知能による 

            インシリコ創薬から自律型創薬へ」

目次:

1.イントロ

1.1時代の変化:「コンピュータ」時代から「情報」時代へ

1.2コンピュータの「自動化」時代から、「情報活用の自律化」時代へ

1.3「自律化」時代を先導するデータサイエンスや人工知能

1.4「自律化」時代の創薬

1.5「自律化創薬」の展開に向け、過去から現在のインシリコ創薬を知る

2.データサイエンス(ケモメトリクス)とAIの関係

2.1データサイエンスと最近のAIをつなぐ基本技術:機械学習

3.化学分野でのデータサイエンスとAI

3.1化合物構造(アナログ)情報のコンピュータ(デジタル)での扱い

3.2化合物の曖昧性及び多面性への対応

4.化学分野でのデータサイエンスやAI(人工知能)の実行プロセス

4.1化合物情報のコンピュータへの入力と解析実施及び結果の解読

4.2データサイエンスシステム(ADAPT)のブロックダイアグラム

4.3化学分野へのAI(人工知能)適用上での問題点

4.3.1サンプル数の問題

4.3.2要因解析が困難

5.創薬への適用(創薬研究の基本スタイル、創薬戦略、創薬戦術)

5.1現代から近未来の創薬スタイル:「自動型創薬」から「自律型創薬」

5.1.1研究者の日常的研究業務スタイル

5.1.2現在の創薬スタイルとは:実験の自動化を行う「自動型創薬」

5.1.3今後の創薬スタイル:研究者の創造的仕事を助ける「自律型創薬」

5.1.4「自律型創薬」とは:解析、判断、決定、方向性を伴う創薬

6.過去から現在における創薬アプローチの概観(戦略レベルと戦術レベル)

6.1戦略レベルでのアプローチ

6.1.1インテグレーテッド概念

6.1.2早期ADME/T

6.2戦術レベルのアプローチ

6.2.1総合的アプローチ

(A)並列創薬

6.2.2リード候補化合物探索へのアプローチ

(A)リード候補化合物検索

(B)リード候補化合物再構築

6.2.3リード化合物の設計

(A)QSAR (Quantitative Structure Activity Relationships)関連

(B)3D-QSAR

6.2.4スクリーニング

(A)リアル化合物のHTSHigh Throughput Screening

(B)仮想化合物のHTS

(C)マルチ活性スクリーニング

(D)活性/ADME/毒性/物性の同時スクリーニング

6.2.5薬理活性のリストラクチャリング

(A)活性リストラクチャリング

(B)マルチ活性リストラクチャリング

     6.3AI(人工知能)を用いた創薬


7.まとめ





2024/06/05

データサイエンスや人工知能によるインシリコ創薬関連著書

  湯田は、昨年(2023年11月)に発刊された以下の著書にて、コンピュータ支援によるインシリコ創薬についての解説を分著しておりますので、ご参考ください。

株式会社 エヌ・ティーエス

『デジタルトランスフォーメーション 事例100選』

 分著:湯田 浩太郎

 第9章医療、第8節

「化学データサイエンスおよび人工知能による 

            インシリコ創薬から自律型創薬へ」

 

 本著では、現在までに展開されているコンピュータ支援による創薬に関する全般的な内容について紹介を行っています。過去から現在までに展開されてきたインシリコ創薬の全体像を知るには適切な内容となっております。なお、本著ではインシリコ創薬の基本となる様々な基本技術に関する詳細な解説は行っておりませんので、気軽に読破していただきたい。

 全体の流れが見えてきたら個々のインシリコ創薬に関する基本技術に関して、より深く解説されている著書や、Journal等から学んでほしいと考えます。インシリコ創薬と一言で言っても、その適用範囲や適用技術や理論は極めて多種多様です。更に、ケースバイケースによっては創薬関連技術のみならず、コンピュータ関連技術の理解、加えて化学のアナログ情報とコンピュータのデジタル情報の融合技術等、インシリコ創薬を支え、構成する技術は多種多彩で極めて複雑です。このような巨大な目標に突き進んでゆく場合は、とにかく全体像をイメージするか理解し、現在のインシリコ創薬の全体概念をつかんでゆくべきと考えます。その上で、より基本的な技術や理論に進んでほしいと考えます。

 今後は「情報時代」となり、新たなAI関連技術に基づいたインシリコ創薬(自律型(知的、オートノマス)創薬)が展開されてきます。時代に遅れないようにするためにも、現時点んでのインシリコ創薬の理解は極めて重要です。





2024/05/26

本日より、ブログ名を新たにし、今後は新たなテーマに従って討論を続行いたしてまいります。

  本ブログが創立された時から10年となりました。設立当初はコンピュータ支援によるインシリコスクリーニングは新鮮で、創薬研究において大きな役割を果たすものとして期待され、大いに討論されてきました。また、インシリコスクリーニングは創薬のみならず安全性(毒性)評価分野でも重要な技術であるということで、CBI学会の「計算ADMET(旧名:毒性学)研究会」との連携が重要となり、本ブログと「計算ADMET」研究会のHPとの連携を重視してまいりました。今後は、「情報時代」に相応しい新たな「計算ADMET」という観点での展開を目指してまいります。

 「情報時代」の創薬を展開する時に重要な技術はAIであり、特に(大規模)生成AIは「コンピュータ時代」のAI と異なる、革命レベルの機能を有しております。この新たな技術を創薬研究に適用することは、今後の創薬研究を展開する上で極めて重要な課題となります。本ブログでは、(大規模)生成AIと創薬研究との関係、取り込み等の観点で展開してまいります。

 本研究分野にご興味ありましたら、是非、討論に参加いただければ幸いです。




2024/01/25

新たなブログ名称および内容の案です:
This is a proposal for a new blog name and content.

   新ブログを構成するにあたり以下の点を留意しつつ検討いたしました。

■討論テーマは来るべき「情報時代」に相応しい内容とする

・新たな技術等に関する積極的な討論を目指す。

・「情報時代」の基盤技術となる大規模言語モデルや種々生成AIを主たるテーマとする。

■従来型の基本的な分野や手法に関する議論の場も設ける

・「コンピュータ時代」における技術も、ある程度フォローする。

・「コンピュータ時代」と「情報時代」の技術の連携や、改良等の効果も重要。

■インシリコデータのHPとの連携性も考慮する  

・インシリコデータのHPには討論のみならず関連資料が多数掲載されている。従って、そのHPとの連携により、相乗効果が期待できる。


1.インシリコデータブログ:

 ⇒ インシリコデータおよびオートノマス(自律型)関連、一般及び速報


2.オートノマスブログ:

 ⇒ 自律型(知的、オートノマス)研究概論関連ブログ


3.インシリコスクリーニングブログ:

 ⇒ 自律型(知的、オートノマス)創薬等の適用関連ブログ


4.AI法関連ブログ:

 ⇒ 大規模言語モデル(LLM)、種々生成AI 関連ブログ(GAI)


5:KY 法関連ブログ:

 ⇒ KY法およびデータサイエンス関連ブログ


6:テーラーメードモデリングブログ:

 ⇒ テーラーメードモデリング及びインシリコ創薬関連ブログ



2024/01/05

時代の移行や技術の発展に伴い、インシリコデータ関連ブログを刷新致します。
As the times change and technology develops, we will update the in silico data related blogs.


 現在はコンピュータを中心として殆どの業務が動き、コントロールされる「コンピュータ時代」の絶頂期となっております。このコンピュータ関連技術の発展は多種多様な技術内容で展開され、現在は様々な分野で大きな変化が起こっています。即ち、コンピュータ本体の計算スピードの更なる高速化、メモリー容量の大規模化、ネットワーク関連技術の拡大に伴うインターネットや通信速度の高速化、SNSの普及や多種多様のデータベースの開発等が実現されました。

 このような様々な変化により、現在は「データ」、即ち「情報」が社会の流れや生活を大きくコントロールする情報時代となっております。これに伴い、時代を支える基盤技術にも大きな変化が起こっております。最近話題になっているChatGPTを中心とする大規模言語モデル(LLM)や、様々な生成AIGAI)等が新たな時代を支える基盤技術となりつつあります。

  株式会社インシリコデータも皆様の暖かいご支援により、来る5月28日にて操業13年目を迎えることとなります。また、インシリコデータ関連ブログも約10年目を迎えます。ブログでは最新の技術を追求して発信してきたつもりですが、技術の発展も早く、今後もブログ発足当時と同じテーマを追求することはあまり意味が無くなってきたと感じております。

  時代が「コンピュータ時代」から「情報時代」へと移行する中で、コンピュータ時代における10年前のテーマを掲げて、技術を討論しても大きな進歩や変化は望まれないと考えます。従いまして、インシリコデータ関連のブログである6ブログにつきまして、来るべき情報時代での討論に相応しい内容になるべく検討させていただきます。

  今後ともよろしくご支援お願いいたします。


 

2022/01/25

HTSを取り囲む環境や状況は大きく変化しております:オートノマス(自律型)HTS
The environment and situation surrounding HTS have changed dramatically.

  創薬の効率を高めて、開発時間の短縮や精度を向上させるHTS(特に仮想)の役割は一層その重要さを増していると感じております。

 単にスクリーニングの速度や処理スループットの向上のみならず、HTSの適用分野も広がり、更にはHTSで使われる化合物自体も大きく変化しております。コロナが注目された初期には、既存の医薬品のコロナ治療薬への適用可能性を探るべく実施されたHTSは「ドラグリポジショニング」の典型的な適用事例となります。

 HTSは大量のスクリーニングデータを扱うことから、強力なデータサイエンス手法の適用や、場合によっては人工知能(AI)の適用が求められます。当初はデータサイエンスや人工知能の単なる適用、即ち従来手法の置き換えレベルにて実施されますが、より高度なレベルの要求に耐えるHTSの実現が求められるようになります。

 データサイエンスや人工知能の展開は急速ですが、これら技術の適用目的の先に見える最終形は、様々な判断や決断を伴い、これらを適切に解決しながら実施されるHTSとなります。このような形式は「オートノマス(自律型)」と称され、データサイエンスや人工知能の展開における最終形態となります。この「オートノマス(自律型)HTS」となれば、創薬の他の手法との組み合わせ等を行うことが可能となり、極めて高度で確度の高い創薬が実施可能となります。

 本ブログでは、この次世代型のHTS、すなわち「オートノマス(自律型)HTS」を目指した討論を実施してまいりたいと考えます。よろしくご支援お願いいたします。





2022/01/01

新年あけましておめでとうございます:

 新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。


新年のご挨拶






2021/12/15

Season's Greeting from the Insilico Data : Merry Christmas !

 ◇ メリークリスマス !!


 今年は、コロナに振り回されて日常の生活ペースをつかむことが困難な日々が続きました。

 来るべき年は通常の生活が取り戻せ、新たな研究目標に向けた活動を一日も早く取り戻すことを目指して頑張ります。

 ここ一年、今後の創薬研究のあるべき姿を模索してまいりました。世の中の流れとして、化学分野でもデータサイエンスや人工知能を取り入れて研究に活用する動きが強まり、この流れは一時的なものではなく永続的に続く動きと感じております。

 インシリコデータは今後の新たな研究の流れとして、データサイエンスや人工知能を強く、かつ総合的に活用する今後の研究スタイルとして「オートノマス(自律型)」研究を基本テーマとして活動してまいります。

 今後のインシリコデータの活動にご期待ください。また、ご支援のほどよろしくお願いいたします。




2021/01/03

2021年は飛躍と素晴らしい年となるように頑張ります:

  現在コロナ下での生活で、日常生活が大きく変化していますが、研究環境においてもWEBの適用による在宅勤務や授業と大きく変化しています。このような環境の変化に加えて、研究手法も大きく変化しています。

 インシリコスクリーニングの観点では、基本技術となるデータサイエンスや人工知能(AI)の進歩が急であり、今後数年でデータサイエンスや人工知能が研究対象とならずに、当然の基礎技術となることが予想されます。

 このような中で、株式会社インシリコデータは約15年前に開発されたKY法を出発点とし、時代の要求にこたえるKY法を開発してまいりました。この最新で強化されたKY法を用いる高速、高精度、自動化、メンテナンスフリーインシリコスクリーニングを目指して研究展開してまいります。

 今年度もよろしくご支援お願いいたします。

2018/05/29

今後インシリコデータは、AI-SHIPSウオッチャーとして活動致します

 インシリコデータはAI-SHIPSプロジェクトの一員として一年ほど精力的に活動しておりました。 AI-SHIPSプロジェクトは経済産業省(METI)の目玉プロジェクトとして、最近急速に展開されている人工知能(AI)技術を用いて、インシリコ技術による毒性評価を行なうプロジェクトとして発足致したものです。

 化合物毒性評価をインシリコで行なうための基本技術は「計算機毒性学(Computational Toxicology)」であり、最近急速にその重要性が高まっております。 また、計算毒性学は典型的な複合領域研究であり、様々な分野の研究が複雑に関与してきます。日本では、この研究を実施する研究室が存在しなかったのですが、インシリコデータの湯田はCBI学会に「計算毒性学研究会」を発足しました。 現在、4年目になりCBI学会中心にフォーカストセッション等を主催し、日本国での計算毒性学の普及を目指して活動しております。

 インシリコデータは前記AI-SHIPSプロジェクトに参加し、計算毒性学の適用に関する選考解析や意見交換、アドバイス等行なってまいりました。 しかし、このような提言やアドバイスがAI-SHIPSプロジェクトの事務方が設けた様々な制限事項により十分な形で実行できない状況となりました。 結果として、今後はインシリコデータとしてシステム構築等に関する提言をAI-SHIPSプロジェクト内では出来ない状況となりました。

 AI-SHIPSは国民の税金を用いた国のプロジェクトです。 インシリコを用いた化合物毒性評価には様々な技術の適用が必須です。 中途半端な状態で開発すると、毒性的にも、化学的にも、データ解析的にも、人工知能技術的にも様々な点で齟齬が出て、失敗プロジェクトとなり、国費の無駄遣いとなります。 このような事は防ぐことが必要です。

 上記の観点で、インシリコデータは今後AI-SHIPSウオッチャーとして、AI-SHIPS内部からではなく、外部から提言や様々な点検をし、議論等してまいります。 化合物毒性評価システムは、様々な技術を融合する事が必要な高度融合システムです。 大事な国費を費やして構築する国のプロジェクトが、中途半端な機能や化合物の誤認識や誤予測をするようなシステムとなることは防がなければなりません。 従いましてインシリコデータは今後、AI-SHIPSプロジェクトを外部から評価する正当な第三者機関として活動いたします。

 よろしくご支援いただきたく存じます。

湯田 浩太郎

2017/06/07

経済産業省(METI)による「人工知能を用いたインシリコ毒性スクリーニング」に関するプロジェクトが立ち上がりました:

 経済産業省(METI)が、「人工知能を用いたインシリコ毒性スクリーニング」に関するプロジェクト(AI-SHIPS)の立ち上げを行ないました。 本件はMETIにより公募案件となりました。 公募の結果、7機関が採択されました。

公募での事業は以下の内容となっており、それぞれについての実施プロジェクトが選考されます。
毒性発現メカニズムに基づく毒性評価技術の開発
(a) 薬物動態モデル等を活用した化学物質の体内動態評価技術の開発
(b) 細胞の化学物質応答性評価を基盤とする毒性評価技術の開発
人工知能を活用した予測モデルの開発(生体レベルでの毒性評価・予測を実現する情報技術の開発)
 

 以上からわかるように、①は毒性発現メカニズムに基づいた毒性評価技術関連の展開となっており、WET実験を伴うものです。 実際に人工知能を用いた毒性評価と評価システムの構築は②の項目で展開/実施されます。 
株式会社 インシリコデータは②に採択された明治薬科大学様の下でインシリコ関連のシステム関連業務に関与してまいります。

 インシリコによる化合物の毒性評価(予測)に関しては当初より化学多変量解析/パターン認識(ケモメトリックス)および人工知能関連技術(ルールベース型)が適用されて展開してきたという歴史があります。 現在はICTやビッグデータ、そして新たな人工知能技術の展開と、インシリコ関連技術を取り巻く環境は大きく変貌しています。 今回のプロジェクトにおいては、インシリコ関連環境の大きな変化を積極に取り入れ、時代の要求や期待に答えられるようなシステムの構築を目指してまいります。
 

2016/10/02

化合物の安全性評価と、最近の人工知能および化学多変量解析/パターン認識(ケモメトリックス)

  化合物の安全性評価や、インシリコスクリーニングに関する技術が大きく進歩しつつある。このように感じるのは、最近大きな話題になっている人工知能が様々な分野で急速に注目されるようになり、人工知能の適用が本研究分野に大きなブレークスルーをもたらすであろうという期待感が大きくなっているためと考える。


  もともと、化合物の安全性評価分野では人工知能技術の適用が積極的に行なわれてきた。 歴史的にみると、化合物の安全性評価は主として二種類のアプローチ(手法)が適用されてきた。一つは、多変量解析/パターン認識を適用するアプローチであり、残る一つが人工知能によるアプローチである。昔は、両方のアプローチが採用され、それぞれの機能的特徴を生かして展開されてきたが、最近では多変量解析/パターン認識手法が主体となっていた。これは、多変量解析/パターン認識がPCレベルでも支障なく扱えるようになり、またデータ解析手法も様々な手法が展開され、多種多様の安全性評価研究が出来るようになってきたことから、多変量解析/パターン認識手法が頻繁に適用される結果となっていたと考える。
 
  ここにきて再び人工知能手法が脚光を浴びてきたのは、情報に関するインフラの大きな変化があるためだろう。ICT、IoTさらにはビッグデータという言葉に代表されるような、従来とはスケールの異なるレベルでのデータの大規模化と多様性の拡大が大きな原因である。

  多変量解析/パターン認識を実施するとすぐわかるが、これらの手法では極めて大量のデータを扱う事はきわめて難しい。大数の変化や傾向をつかみ取る統計と異なり、多変量解析/パターン認識はそのデータ解析力が強いことから、サンプル中に潜むノイズに弱いのが特徴である。このため、データ量が多くなると、結果としてデータ中のノイズも増えてくるため、データ解析が切れ味の悪いものとなってしまう。

  このようなデータ量が急速に増大しているというインフラの大きな変化が、人工知能への期待度を急速に大きくしていると考える。また、人工知能自体も深層学習(ディープラーニング)という新たな機械学習法が開発され、画像処理や音声認識等の分野で素晴らしい成果を上げた。この事実から、ICT、IoTさらにはビッグデータで代表される新時代の要求に答える技術として、人工知能が期待されている。

  深層学習で代表される新時代の人工知能技術が、化合物の安全性評価問題に大きなブレークスルーを与えることが期待されるが、これが本当に実現するか否かは、今後の展開にかかっている。

2016/01/05

◆ 今年もよろしくお願い致します

◇昨年度の活動報告と御礼
昨年(2015年)、10月に開催されたCBI学会2015年大会では、「計算毒性学」研究会主催でチュータリング一つとフォーカストセッション1およびフォーカストセッション2の二つを企画/開催いたしました。また、12月に開催された日本動物実験代替法学会 第28回大会でもインシリコデータは2014年に引き続いて商業展示を行ないました。さらに、9月にポルトガルのポルトで開催されたEUROTOX2015では、最新のKY法に関するポスター発表を行ないました。

◇インシリコスクリーニングを取り囲む環境の変化
ここ数年でインシリコスクリーニングをとり囲む環境が大きく変化してきました。スクリーニング実施目的として従来からの薬理活性に加えて、ADMEも実施するようになり、さらに毒性(安全性)スクリーニングも加えたものへと変化しつつあることを強く感じるようになりました。特に、毒性(安全性)スクリーニングは対象分野が創薬のみならず、一般化合物にも広がり、化合物全般の毒性(安全性)管理や生体/生態環境保全という観点で実施される政府規制を効率よく実施する目的でのインシリコスクリーニングがその重要性を増しています。また、EUでは動物愛護の観点から化粧品等の分野では動物を用いた実験データを規制当局に提出する事は出来なくなっており、この分野でも動物を使わない実験としてのインシリコによるスクリーニングが重要となっております。

◇インシリコによる薬理活性/ADME/毒性(安全性)スクリーニングの違い
薬理活性ではドッキングシミュレーションによるインシリコスクリーニングが主体となって展開されています。また、ADME関連のインシリコスクリーニングではPK/PDモデルに基づいた展開が中心となっています。化合物の毒性(安全性)スクリーニングでは薬理活性やADMEと異なり、多変量解析/パターン認識によるアプローチと人工知能によるアプローチが展開されています。
これは、化合物の毒性(安全性)は薬理活性と異なり、メカニズムを特定する事が極めて困難なため、ドッキングシミュレーションに必要となる蛋白を特定する事が困難であることが主たる原因となります。また、ADME研究でのPK/PDモデルを毒性に直結する事は困難であり、PK/PDモデルで毒性を評価する事は殆どできません。
上記のようにインシリコスクリーニングは、薬理活性、ADMEおよび毒性(安全性)のそれぞれの特性を生かすことで、全く個別に発展してきました。この結果、インシリコスクリーニングという言葉は一つであっても、それぞれのターゲットの内容によりスクリーニング実施手法が異なり、研究者層、研究概念、研究環境も大きく異なります。インシリコスクリーニングと言って、簡単に薬理活性/ADME/毒性(安全性)の枠を超え、ある分野のスクリーニング手法を他の分野に適用する事は出来ないのが現実です。

◇インシリコ毒性(安全性)スクリーニングの日本での現状と、本ブログの役割
現在インシリコ薬理活性スクリーニングやインシリコADMEスクリーニングに関しては、関連するWEBサイトや学会での発表、研究会が活発に、かつ多数実施されております。しかし、インシリコ毒性(安全性)スクリーニングに関する情報や研究および研究会等の活動は日本では殆ど実施されておりません。CBI学会に設置された「計算毒性学」研究会がインシリコ毒性(安全性)スクリーニングに関する日本で最初の組織となります。
以上のような状況を踏まえまして、本「インシリコスクリーニング」ブログではインシリコ毒性(安全性)スクリーニングを中心に展開いたします。この点、よろしくご理解ください。なお、インシリコ毒性(安全性)スクリーニングの基本技術である多変量解析/パターン認識と人工知能技術は、毒性(安全性)のみならず薬理活性やADMEにも展開可能な手法です。これに対し、薬理活性のドッキングやADMEのPK/PDシミュレーションはその基本原理上、毒性(安全性)への適用は極めて困難です。

◇インシリコ毒性(安全性)スクリーニングの難しさと多変量解析/パターン認識および人工知能
毒性(安全性)スクリーニングの分野では昔から伝統的に多変量解析/パターン認識および人工知能の二つの技術が展開されてきました。これは、毒性(安全性)の特性から、薬理活性のようにメカニズムに基づいた展開が極めて困難であること。また、ADMEと異なり、毒性(安全性)は生体内での定型的な動態を決定することは極めて困難であり、且つ動態と毒性を関連付けることも難しい事が、薬理活性やADMEで展開されてきた手法を毒性(安全性)分野に適用することが出来ない理由です。
このため、インシリコ毒性(安全性)スクリーニングは当初よりメカニズムを一旦ブラックボックス化して結果を導く多変量解析/パターン認識手法が適用され、また毒性(安全性)に関して研究者が有するノウハウを利用する人工知能の二つの手法が伝統的に適用されてきました。なお、多変量解析/パターン認識で設定したブラックボックスは、その内容解明は可能です。これにより、毒性(安全性)メカニズムに関する情報解析が可能となります。

◇インシリコ毒性(安全性)スクリーニングを取り囲む環境の変化
歴史的にインシリコによる毒性(安全性)評価やスクリーニングはかなり昔から実施されてきました。手法的には当初より多変量解析/パターン認識によるアプローチや人工知能によるアプローチが展開されてきました。しかし、当初はインシリコによる毒性(安全性)評価の信頼性が低いこと、および毒性(安全性)評価は実験による実データ主義が中心であったこと、当時は計算機のコストが極めて高価で、かつ計算機のパワーも実用的レベルでの毒性評価を計算する事が困難なほど極めて貧弱であった。また、サンプル数も少なく、実験を行なう方がコスト的に安く、かつ信頼性も高かったため、普及はしませんでした。しかし、現在は当時と比較して計算機の桁違いの進歩により、高速/大量/低コストという観点でインシリコスクリーニングへの期待が高まっています。

◇インシリコ毒性(安全性)スクリーニングを実施する二つの技術に関連する大きな変化
このインシリコ毒性(安全性)スクリーニングという分野を支える大きな二つの技術、多変量解析/パターン認識と人工知能の両方に大きな技術的な変化が起きつつあります。これは、最近のネットワークや観測機器、ウェアラブル端末、そしてインターネット等の発達によりデータが急速に膨れ上がり、ビッグデータIoTという言葉で代表される状態が起こりつつあるからです。
データ処理と言えば多変量解析/パターン認識ですが、ビッグデータのような極めて大量のデータを対象とした解析を行なうには多変量解析/パターン認識自体も変化が必要です。また、大量のデータに埋もれた極めて複雑な情報を探し出し、役に立つものに変換して使う技術として人工知能が脚光を浴びてきており、新時代の人工知能技術が新たに展開されようとしています。

◇インシリコスクリーニングを取り囲む大きな変化へのインシリコデータの取り組み
インシリコスクリーニング、特に毒性(安全性)スクリーニング分野では、ビッグデータやIoTの掛け声とともに多変量解析/パターン認識や人工知能関連技術の大きな変化が、従来とは大きく異なる発展を遂げるものと期待されます。
インシリコデータは長期にわたる化学分野への多変量解析/パターン認識の適用研究や、ビッグデータにも対応可能な多変量解析/パターン認識手法であるKY法の適用と、過去の人工知能システム展開のノウハウを元に、新たなインシリコ毒性(安全性)スクリーニングの実現目指して展開してまいります。
以上
湯田 浩太郎

2014/11/21

お知らせ:インシリコデータが学会で展示ブースを設けます。 Notice: The In Silico Data will provide a booth at the JSAAE conference

 日本動物実験代替法学会 第27回大会が12月5,6,7と横浜国立大学で開催されます。 
 この大会にて株式会社 インシリコデータが出店展示を行ないますので、ご関心のあります方はご来場ください。 今回の出店はインシリコデータとして創業以来初の出店となります。 最初の出店となりますので、今回はインシリコデータの会社概要、保有技術および実績、他社との協力関係、さらには現在進めておりますCBI学会の下部組織として設立された「計算機毒性学(Computational Toxicology)」研究会に関する情報等を中心に展示する予定です。


 また、同時にポスター発表も行ないますので是非、活発なご討論をいただければと存じます。ポスタータイトルは以下となります。

P-41
「動物実験(LLNA)データのみから作成した皮膚感作性定性的構造毒性相関(QSTR)モデル」
〇佐藤一博、日下幸則、湯田浩太郎

 今回の発表は、データサンプリングの違いが化合物の皮膚感作性評価に関する影響についての報告となります。 データ解析においては解析目的に従ったサンプリングが重要で、これが達成できると、様々な要因解析を精度よく出来ることになります。今回はこのような解析への第一歩として、サンプリングの違いが毒性評価に及ぼす影響について討論します。

P-44
「動物実験代替法とインシリコ毒性予測の融合に関する研究(2):毒性予測に特化した二クラス分類手法の開発」
〇湯田 浩太郎
 今回の発表では、極めて予測が困難とされる化合物毒性評価を、より精度高く行なうために独自に開発されたKY法の開発状況について発表します。 KY法は二クラス分類が3種類、重回帰手法として3種類開発されており、全てが日本/USA/EUに出願され、現在その殆どが特許として認可されています。
 通常展開されている汎用的なデータ解析手法をそのまま化合物毒性評価に適用すると、実用可能なレベルでの精度を達成する事は極めて困難です。 また、創薬分野で展開されている様々なインシリコ手法の 直接的な適用は原理的に殆ど不可能なのが、化合物毒性評価を一層困難にしています。
 KY法はこのように毒性評価に特化してデザインされ、毒性評価の 問題点を克服しつつ実用的なレベルでの要求に答えることのできる手法として開発されました。

   ご関心のある方は、ポスター会場にてご討論やご質問いただければと存じます。


以上
文責:湯田 浩太郎

2014/11/15

10月27日に「計算毒性学」研究会の再開催が実施され、多くの方々に参加いただきました。

「計算毒性学」研究会のキックオフミーティングが、10月27日(月)にCBI学会2014年大会のプレミーティングとして、船堀 (東京)で実施されました。

 当日は、事前登録および当日参加者を加えまして約70名という、会場が満席になるほど多くの方々に集まっていただきました。 本「計算毒性学」研究分野に関する皆様の関心の強さを改めて感じました。 

 ご講演いただく諸先生方も、お忙しいところ時間を割きまして、熱心に発表/討論いただきました。 改めまして御礼申し上げます。 なお、当日実施されましたプログラムがCBI学会大会のホームページに記載されておりますので、ご参照ください。

 引き続き、29日(水)はCBI学会大会のフォーカストセッションとして、第一回「計算毒性学」研究会が開催されました。こちらは、講演テーマを絞り、システム開発者によるADME研究およびシステム機能紹介と、インシリコ毒性スクリーニングを構成するDRYとWET研究の両輪のうちの一つであるコンビナトリアルケミストリーに関する講演を、インシリコ技術とコンビナトリアル技術の融合との観点で横浜薬科大学の高橋孝志先生に熱く語っていただきました。 なお、当日の講演プログラムもご参照ください。

 「計算毒性学」研究会のキックオフミーティングが無事完了し、「計算毒性学」研究会が正式に発足いたしました。 今後は、より具体的な活動に移ってゆきます。 「計算毒性学」研究会に参加された研究者の方々の相互情報交流や、「計算毒性学」に関する基本知識や研究動向等を、研究会会員の皆様と一緒に学んでゆきたいと考えます。

 「計算毒性学」研究会に参加ご希望の方は以下のメールアドレスに参加の旨をご連絡ください。
contact@insilicodata.com

以上

文責:湯田 浩太郎

2014/08/09

緊急連絡です:キックオフミーティングが台風のため中止となりました:ASAP:Kick-off meeting was canceled because of the typhoon

緊急ご連絡:

台風のため、「CBI学会夏の合宿2014 in 道後/松山」が中止となりました。これに伴い、本日開催予定の「計算毒性学」研究会のキックオフミーティングも中止となっております。
 今後の実施方針等が決まり次第アップさせていただきます。

 参加者の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくご理解お願い致します。
 また、このような大変な状況下で、会の運営等をマネージメントいただきました松山大学の水間先生、および東京工業大学の小長谷先生、さらには関連スタッフの皆様に改めて御礼申し上げます。

以上

文責:湯田 浩太郎

2014/07/23

化学工業日報紙に「計算毒性学」研究会の記事が掲載されました:In Chemical Daily newspaper, the report of "computational toxicology" workshop was published

 化学工業日報紙(2014年7月17日付け、第6面)に、「計算毒性学」研究会の記事が掲載されました。


 記事では、日本初の「計算毒性学」研究会として紹介されています。是非ご参照ください。


 残念ですが、欧米と比較して日本における「計算毒性学」に関する取り組みは、一周どころか何周も周回遅れをしながら、現時点で何も対応できていないというのが現状です。この現状は、日本の学会に「計算毒性学」という言葉や項目が年会やJournal発表での分野リストにないことでもわかります。このために、「計算毒性学」関連研究発表は、関連する項目や言葉に関連付けて、無理に提出しているのが現状です。

 ちなみに、"computational toxicology"の単語と「計算毒性学」の単語をGoogleで検索すると以下のような結果となりました。
"computational toxicology" ----> 47,100  
 「計算毒性学」-------------------->     369

* 割合(日本/世界):369/47,100 = 0.78%
* 倍率(世界/日本):47,100/369 = 127.6倍

 この事実はWEB上で展開されている「計算毒性学」関連の情報絶対量が、世界(実質的には欧米)と比較して日本は1%にも満たないということがわかります。これは、日本国内における「計算毒性学」に対する取り組みが欧米と比較して極めて貧弱であることを、数値で示しています。
 昔と異なり、現在のようなネットワーク社会では、Googleのような世界に張り巡らされた情報網での検索ヒット数はそのまま現在社会のトレンドを反映していると言えるでしょう。是非とも日本のヒット件数を世界に負けないようにして、逆に最新情報を世界に発信できるようにしたいと考えます。

文責 湯田 浩太郎
7月23日